1-Z 【最終回】これからの仕事 

半年ほど書き続けてきた本テーマも本日の記事をもって最終回となりました。

最後は私自身の今後の大きな柱ともいえる経営コンサルタントについて書いてみたいと思います。中小企業診断士は経営コンサルタント唯一の国家資格と言われる一方で、とっても食えないからという意味で足の裏の米粒と揶揄されることもあります。とっても食えないという話の出どころはおそらく中小企業診断士自身が発信元だと想像しています。苦労して資格を取ったけど、仕事はいっこうに声がかからない・・・。資格とっても食えないじゃないかと。

しかし、この話はとってもバカバカしいものだと昔から思っています。待っていたって仕事が向こうからネギしょってやってくるわけはありません。

中小企業診断士の受験勉強をしている時にたまたま同じ資格の学校で社労士講座を担当している講師の先生と飲む機会があり、その際にものすごく大事なアドバイスをもらいました。

私は相手が社労士講座の先生だからということもあり、診断士の受験が終わったら、次は社労士の資格もとろうかなと発言してみました。ところが先生の返事は全く予想していないものでした。

「社労士の資格はいらない。」

???

「社労士は独占業務もあるし、経営面に加えて人事労務面も見ることができるのはいいことなのでは?」と重ねて質問すると先生は

「診断士で食っていける人は診断士だけで食っていけるし、診断士で食っていけない人は社労士の資格をとっても食っていけないです。診断士で食っていける人だったら、社労士の仕事がきたら社労士に振っちゃえばいいだけです。」

目からうろこが落ちるとはこのことだったと思います。そもそも公認内部監査人(CIA)を4か月で合格しちゃった勢いで中小企業診断士の受験を進めていた私はある意味資格マニアの道に入りかけていたのかもしれません。目を覚まさせてくれた一言でした。この日以降私は、診断士に登録した後も他の資格を勉強しようと考えたことはありません。それよりも診断士でどうやって食っていけるかを真剣に考え続けてきました。そうするとできることはいくらでもあるし、食える道筋も見えてくる。それは必ず自分から飛び込んでいかなきゃならない道筋です。他人がおぜん立てしてくれるものでもないし、自らが発信していくことがとても重要だと感じます。ほんとに良いアドバイスを良いタイミングで頂けたと感じています。

自分の仕事を他人任せにして、仕事が取れないからと言って食えないというのはほんとに恥ずかしいことと思います。自分で食えるように作り変えればいいだけの話ですから。

会社を退職した後の私の仕事は以下の3つの柱になっています。

・経営コンサルタントとしての企業支援
・中小企業基盤整備機構・東京商工会議所での中小企業支援
・研修・セミナー講師の仕事

この中で中小企業診断士の資格がなければできないという仕事は、実はひとつもありません。
自分の得意分野を活かして、幅広い人とのつながり、結びつきを形成していくことで、できる仕事は大いにあると考えます。

本コラムを読んでくださっているまだ企業にお勤めの方々にぜひお伝えしたいことがあります。

やりたい仕事があるから再雇用しても続けたいという考えには大いに賛同します。
しかしながら、他にやれることがないから、しかたがないから再雇用しか道がないと考えている方にはぜひご自身のこれからをしっかりと見つめて頂きたいと考えています。

自分の強み・スキルを棚卸してみることが重要です。

会社というのは極めて均質な世界なので、自分のスキルは誰でも同じものを持っていると考えがちなのですが、一旦社外に出てみると企業で長年培った経験やスキルというものは実はすごい力を持っていると日々感じています。

会社のカンバンを外して自分の力を試してみる、そんな生き方があってもいいかなとお伝えして、長い自己紹介のテーマのコラムの筆を折りたいと思います。

 完

 

 

 

 



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